Web広告の費用相場一覧|総額の内訳と自社予算の決め方【2026年版】

「Web広告を始めたいが、結局いくら用意すればいいのか分からない」。この段階で止まっている担当者は少なくありません。検索すれば「1クリック数十円〜数百円」「月20万円から」といった数字は出てきます。ただ幅が広すぎて自社に当てはめられず、稟議に書く金額が決まらないまま時間だけが過ぎていきます。

さらに厄介なのは、広告費だけを見て予算を組むと総額を読み違えることです。月20万円のつもりで始めたのに、バナーの制作費、ランディングページの修正費、運用を任せた手数料が後から乗り、気づけば月50万円規模になっていた。この失敗は、Web広告の相談で最も多く聞く話のひとつです。

この記事では、Web広告にかかるお金を「広告費」「クリエイティブ制作費」「運用代行費」の3層に分解したうえで、種類別の相場一覧、業種別に見た広告費の妥当ライン、自社の月額予算を目標から逆算する4つのパターン、そして代理店の見積もりを発注側が検証する手順までをまとめます。相場を調べる目的は、いちばん安い選択肢を見つけることではありません。自社がどの予算ゾーンにいるのかを決めることです。

この記事の目次

Web広告の費用が「調べても分からない」のはなぜか

金額が調べにくいのには、市場構造上のはっきりした理由があります。ここを理解しておくと、この後に出てくる相場表の読み方が変わります。

費用の大半がオークションで決まっている

電通が2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費」によると、2025年の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)、そのうちインターネット広告費は4兆459億円で、構成比50.2%と初めて過半数に達しました。さらに「インターネット広告媒体費 詳細分析」では、媒体費3兆3,093億円のうち運用型広告が2兆9,352億円、構成比88.7%を占めています。

運用型広告とは、あらかじめ決まった掲載料を払うのではなく、入札によって配信量と単価が決まる仕組みの広告です。つまり、いまのWeb広告の9割近くは定価が存在しない領域にあります。「Web広告はいくら?」に一意の答えが返ってこないのは、書き手が出し惜しみしているからではなく、価格が入札で毎日動いているからです。

この構造は、業種によるクリック単価の差にも表れます。競合が多く1件あたりの利益が大きい業界ほど入札は激しくなり、同じ1クリックでも単価は大きく異なります。他社の「月20万円で回っています」という数字を、そのまま自社に当てはめられない理由がここにあります。

広告費だけを見ているから総額とズレる

もうひとつの理由は、多くの相場情報が「媒体に払うお金」しか扱っていないことです。実際に発生する費用には、広告そのものの掲載費に加えて、バナーや動画をつくる制作費、配信設計や改善に使う人の時間(社内の人件費、または外部への運用代行費)が含まれます。

予算を承認する側は総額で判断します。にもかかわらず、担当者が集めてくる情報が広告費だけだと、着手後に「聞いていた金額と違う」という話になります。次のセクションで、この3層を先に整理します。

Web広告の費用は3つの層に分かれている【総額の内訳】

Web広告の総額は、次の3つの層の合計です。この分け方で見積もりを読むと、どこが高いのか・どこを削れるのかが一目で分かるようになります。

図解

1. 広告費(媒体に直接支払うお金)

GoogleやYahoo!、Meta(Instagram・Facebook)、LINE、X、TikTokといった媒体に直接支払う費用です。ほとんどの媒体はクリック数や表示回数に応じた従量課金で、上限金額は自社で決めます。

たとえばGoogle広告のヘルプでは、キャンペーンごとに「1日の平均予算」を設定する方式が説明されており、最低出稿金額の定めはありません。理論上は1日数百円からでも出稿できます。また、月の請求額は「1日の平均予算×30.4日(1か月の平均日数)」の範囲に収まるよう調整され、特定の日に費用が平均予算を上回っても、月間で設定額を超えて請求されることはないとされています。予算表をつくるときは、日予算に30.4を掛けた金額を月額として置くと実態に近くなります。

LINE広告も同様に、公式ページで初期費用・最低出稿金額ともに不要と明記されています。入札の最低設定価格はクリック課金が手動入札24円・自動入札36円、インプレッション課金が1,000回表示あたり200円、友だち追加課金が手動入札50円からです。「1,000回表示でいくらか」を調べている場合、この200円という数字が下限の目安になります。

ただし、下限まで絞れることと、下限で成果が出ることは別の話です。予算を絞りすぎると配信量が足りず、どのバナーが効いたのか・どのキーワードが無駄なのかを判断できるだけのデータが溜まりません。「安く始められる」は「安く成果が出る」ではない、という点は最初に押さえておく必要があります。

2. クリエイティブ制作費

バナー画像、動画、広告文、そして遷移先のランディングページ(LP)にかかる費用です。バナー1枚あたり数千円〜数万円、動画1本あたり数万円〜数十万円が目安とされていますが、内容によって幅が大きく、公定価格はありません。

見落としやすいのは必要な本数です。広告運用では、1本のバナーで当てにいくのではなく、複数の切り口を同時に配信して反応を比べます。実務的には最低2〜3本、余裕があれば5本程度を用意して初めて検証が成立します。「バナー1枚3,000円」を見て安心していると、実際は3〜5倍かかることになります。

もうひとつ抜けやすいのがLPの改修費です。広告をクリックした人が着地するページが整っていなければ、どれだけ配信を磨いても問い合わせにはつながりません。既存ページを流用するのか、専用LPをつくるのかで初期費用は大きく変わります。

3. 運用代行費・社内人件費

配信設計、入札調整、クリエイティブの差し替え、レポート作成にかかるコストです。外部に任せる場合は運用代行費、社内で回す場合は担当者の人件費という形で発生します。

外注時は広告費に対する料率(20%前後)を手数料とする料金体系が多く見られます。ここで注意したいのは、料率制では「広告費を増やすほど手数料も増える」という点です。金額そのものより、後述する見積もりチェックの観点で、何に対して払っているのかを確認する方が重要になります。

自社運用にすれば代行費はゼロですが、人件費はゼロになりません。週に3時間を運用に使うなら、その時間分の人件費が実質的な運用コストです。「自社でやれば安い」と判断する前に、この時間をどこから捻出するのかを決めておく必要があります。

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Web広告の費用相場一覧【種類別】

主要なWeb広告の費用感を一覧にまとめます。いずれも2026年8月時点の目安であり、業種・地域・競合状況によって上下します。とくに月額予算の欄は「これだけ払えば成果が出る金額」ではなく、「配信データが溜まり、改善の判断ができるようになる目安」として読んでください。

広告の種類 主な課金方式 費用の発生単位 月額予算の目安 向いている目的
リスティング広告(検索広告) クリック課金 1クリックごと 20万〜50万円 顕在ニーズの刈り取り・問い合わせ獲得
ディスプレイ広告 クリック課金/表示課金 クリックまたは1,000回表示 10万〜50万円 認知拡大・幅広いリーチ
リターゲティング広告 クリック課金 1クリックごと 5万〜20万円 一度訪問した人の再訪促進
SNS広告(Meta・LINE・X・TikTok) クリック課金/表示課金ほか クリック・表示・友だち追加など 5万〜50万円 潜在層への認知・興味喚起
動画広告(YouTubeなど) 視聴課金 一定時間の視聴またはクリック 20万〜50万円 商材理解の促進・ブランディング
アフィリエイト広告 成果報酬 成約1件ごと 成果報酬+ASP固定費 費用対効果を固定したい商材
純広告 掲載期間保証/表示保証 掲載枠・期間 数十万円〜(枠による) 特定媒体の読者への集中露出
タイアップ記事広告 制作+掲載一括 1本ごと 数十万円〜 検討フェーズの読者への深い訴求

表の上4つ(リスティング・ディスプレイ・リターゲティング・SNS広告)は運用型で、始める・止める・金額を変えるが自由です。下4つは枠や成果に対して払う形が中心で、契約単位が大きくなりやすい傾向があります。初めてWeb広告に取り組む企業の多くは、上4つのどれかから入ることになります。

媒体別に見た費用と特徴の違い

同じ「SNS広告」でも媒体によってユーザー層と課金方式が異なり、必要な予算感も変わります。主要媒体の違いを整理します。

媒体 主なユーザー層 選べる主な課金方式 月額予算の目安 得意なこと
Google検索広告 検索する全世代 クリック課金 20万〜50万円 今すぐ探している人の刈り取り
Yahoo!検索広告 40代以上の比率が高め クリック課金 10万〜30万円 中高年層・地域商材の獲得
Meta広告(Instagram・Facebook) 20〜50代 クリック課金/表示課金 10万〜50万円 画像・動画での興味喚起
LINE広告 全世代(利用者数が最大級) クリック課金/表示課金/友だち追加課金 5万〜30万円 友だち獲得・再来店の促進
X(旧Twitter)広告 20〜40代 クリック課金/表示課金 5万〜30万円 話題性のある商材の拡散
TikTok広告 10〜30代 クリック課金/表示課金 10万〜50万円 若年層への認知拡大
YouTube広告 全世代 視聴課金 20万〜50万円 説明が必要な商材の理解促進

媒体選定でまず外すべきは「自社の顧客がいない媒体」です。若年層向けの商材でないのにTikTokを選ぶ、BtoBでSNSの認知施策から入る、といった選び方をすると、単価が安く見えても成果につながりません。相場表の金額を横に並べて安い順に選ぶのではなく、顧客がいる媒体を先に絞ってから予算を配分してください。

LINE広告のように友だち追加課金(CPF)を選べる媒体では、そもそも何を成果とするかの選択肢も広がります。「広告から直接の問い合わせ」ではなく「友だち追加してから後日の来店」という導線を取れるため、検討期間の長い商材や来店型のビジネスと相性がよくなります。

なお、広告出稿だけでなくアカウント運用まで含めた費用感は、SNS運用代行の費用相場と失敗しない選び方の記事で解説しています。Instagramを自社で運用しながら広告も併用する場合の進め方は、Instagram運用の始め方と伸ばすコツ完全ガイドが参考になります。

課金方式7種類|同じ予算でも結果が変わる理由

同じ「月10万円」でも、何に対して課金されるかで得られるものは変わります。認知を広げたいのに成果報酬型を選んだり、問い合わせが欲しいのに表示課金を選んだりすると、予算は消えても目的は達成されません。

課金方式 略称 何に対して払うか 相性のよい目的
クリック課金 CPC 広告がクリックされた回数 問い合わせ・購入などの獲得
インプレッション課金 CPM 広告が1,000回表示されるごと 認知拡大・広く見せたいとき
視聴課金 CPV 動画が一定時間視聴されたとき 商材理解・動画での訴求
成果報酬課金 CPA 申込・購入が発生したとき 費用対効果を固定したいとき
エンゲージメント課金 CPE いいね・友だち追加などの反応 SNS上の関係構築
インストール課金 CPI アプリがインストールされたとき アプリの利用者獲得
掲載期間保証型 掲載する期間・枠そのもの 特定媒体での露出確保

関連キーワードでよく検索される「1,000回表示あたりの費用」はCPM(インプレッション課金)のことです。前述のとおりLINE広告では手動入札で1,000回表示200円から設定できますが、この金額は入札の下限であって、実際に配信される単価は競合との入札状況で決まります。

課金方式を選ぶときの判断軸はひとつです。「自社が最終的に増やしたいものは何か」から逆算する。問い合わせを増やしたいならクリック課金や成果報酬課金、まず知ってもらう段階ならインプレッション課金や視聴課金、という順で決めます。媒体を先に決めてから目的を後付けすると、ここがねじれます。

業種別に見る「売上のうち何%を広告に使うか」

種類別の相場を見ても「で、うちはいくら?」が決まらないのは、判断の起点が自社の外側にあるからです。ここで役に立つのが、売上に対する広告費の比率という外側からの検算です。

東京商工リサーチが2025年1月23日に発表した集計(2023年度・14万8,090社が対象)によると、宣伝費(広告宣伝費+販売促進費)の総額は2兆9,174億円で前期比11.6%増でした。業種別の売上宣伝費比率は次のように分かれます。

図解

この集計でとくに注目したいのは、売上宣伝費比率が5%以上の企業は3,513社で、全体の1.3%にとどまるという点です。人材紹介や化粧品小売のように広告依存度の高い業種は確かに存在しますが、それは例外的な水準であり、大多数の企業は売上の数%以内で回しています。

「うちも競合みたいに広告に出したい」と考えるとき、この1.3%という数字は現実的なブレーキになります。売上1億円の会社が月100万円(年1,200万円=売上比12%)の広告費を組むなら、それは全企業の上位1%台に入る攻めた投資だという自覚が要ります。

中小企業を対象にした中小企業庁「中小企業実態基本調査」の集計でも、製造業・卸売業は売上に占める広告宣伝費が0.1〜0.2%程度、小売業・サービス業は0.9〜5.3%程度と、業種によって大きな差があるとされています。BtoBで単価が高く商談期間が長い事業ほど比率は低く、BtoCで単価が低く購買頻度が高い事業ほど比率は高くなる、というのがおおまかな傾向です。

なお、比率が最も高い職業紹介業(18.8%)が示しているのは、人を集めること自体が事業の中核にある業種では広告への依存度が構造的に高くなる、ということです。自社の採用のために求人広告を出す場合も同じ構造が働きます。採用側の費用感については求人広告の費用相場を徹底比較|媒体別料金一覧と採用単価を下げる方法で媒体別に整理しています。

使い方はシンプルです。逆算で出した広告予算を、自社の年間売上で割ってみる。出てきた比率が同業の水準から大きく外れていたら、金額か目標のどちらかに無理があります。

自社の広告予算はいくらが妥当か|4つの逆算パターン

ここからは実際に金額を決めます。使うのは次の4パターンで、どれかひとつではなく、2つ以上で計算して金額が近いかを確かめるのが実務的なやり方です。

広告予算を決める4ステップ

1

成果の定義を1つに決める

問い合わせ・資料請求・購入・来店のうち、今回の広告で増やすものを1つに絞ります。ここが曖昧だと金額は決まりません。

2

1件あたり払える上限を出す

粗利と成約率から、1件の獲得にいくらまで払えるかを計算します。これが目標CPAになります。

3

必要件数を掛けて月額を出す

目標CPA×月に必要な件数=月額の広告費です。ここで出るのは広告費だけで、総額ではありません。

4

制作費と運用費を足して検算する

3層の総額にしたうえで、年間売上に対する比率を確認します。同業の水準から大きく外れていないかを見ます。

パターンA:目標CV数から逆算する

最も基本的な方法です。「月に何件ほしいか」から出します。

01

商材の粗利:1件20万円

02

商談からの成約率:25%

03

問い合わせから商談になる率:50%

この場合、問い合わせ1件あたりの期待粗利は20万円×25%×50%=2.5万円です。粗利の3割までを獲得コストに充てると決めるなら、目標CPA(1件あたりの獲得単価)は7,500円。月10件の問い合わせがほしければ、7,500円×10件=月7.5万円が広告費の目安になります。

この計算のよいところは、上振れ・下振れの判断がその場でできることです。実際に配信してCPAが1.5万円になったら、目標の2倍。件数を減らすか、成約率を上げるか、単価の高い商材に切り替えるかの3択になります。

パターンB:顧客生涯価値(LTV)から逆算する

サブスクリプション、スクール、定期購入など継続課金の事業では、初回の粗利だけで判断すると広告費を出せません。

月謝1万円のスクールで平均継続期間が12か月なら、1人あたりの総売上は12万円。原価率を4割とすると粗利は7.2万円です。ここから獲得コストとして2割を使うと決めれば、1人あたり1.44万円まで払えます。月10人の入会を目標にするなら、1.44万円×10人=月14.4万円が広告費のラインです。

初回売上(1万円)だけを見て「広告費は1件3,000円まで」と決めてしまうと、そもそも配信が成立しません。継続性のある事業ほど、この計算をしないと機会損失になります。

パターンC:売上目標の比率から決める

新規事業や新商材で、成約率もCPAもまだ分からない段階で使います。前セクションの業種別比率を使い、年間売上目標×業種の水準でざっくり置く方法です。

年商1億円のサービス業で売上比2%を広告に使うなら年間200万円、月あたり約16.6万円。この金額を出発点に、3か月配信して実データが取れた時点でパターンAに切り替えます。

精度は低いものの、社内で予算枠を確保する段階では十分に機能します。「いくら必要か分からないので決められない」で止まるより、仮置きして走り出し、データが出たら組み直すほうが早く進みます。

パターンD:検証に必要な最低ラインから決める

「そもそも、いくらあれば判断できるのか」から決める方法です。広告は配信量が少なすぎると、成果が出なかったのか・単にデータが足りないのかを区別できません。

目安になるのは、目標CPAの10〜20倍です。目標CPAが7,500円なら、月7.5万〜15万円。この規模を最低3か月続けて、ようやく「この施策は自社に合うか」の判断材料が揃います。1か月で止めた場合に残るのは、判断できるデータではなく、消えた予算だけです。

4パターンの使い分け: BtoBで単発取引ならA、継続課金ならB、実績データがないならC、社内で「まず試す」を通すならDで出した金額を提示する、という順で選ぶと決まりやすくなります。

予算規模別・現実的な配分モデル

金額が決まったら、次は配分です。予算規模ごとに、現実的に取れる選択肢は変わります。

月額総予算 広告費 制作費(月割) 運用費 現実的な打ち手
10万円 7万円 1万円 2万円(社内工数) 施策を1つに絞る。リターゲティングか地域限定のリスティングなど、狙いを狭くする
30万円 20万円 3万円 7万円 主軸1つ+サブ1つ。リスティング+リターゲティングの組み合わせが定番
50万円 33万円 5万円 12万円 検索とSNSの2軸。バナー3〜5本を回して勝ちパターンを探す
100万円 65万円 12万円 23万円 検索・SNS・動画の3軸。LPを複数用意してテストできる

配分で最も多い失敗は、総予算のほぼ全額を広告費に充ててしまうことです。月10万円の予算で10万円すべてを配信に回すと、バナーは既存素材の使い回しになり、レポートを見て改善する時間も確保できません。結果として「配信はしたが何も分からなかった」という1か月が生まれます。

月10万円規模でとくに重要なのは、施策を1つに絞ることです。予算を3つに割ると、どれもデータが溜まらないまま終わります。狙いを狭くして1つに集中させるほうが、同じ金額でも判断材料は多く残ります。

Web広告の運用を外注する費用と料金体系

自社に運用経験者がいない場合、外部に任せる選択肢が出てきます。料金体系は大きく3タイプです。

料金体系 費用の決まり方 向いているケース
料率型(手数料型) 広告費の20%前後 広告費が月30万円以上あり、配信量に応じて手を動かしてほしいとき
固定報酬型 月額◯万円で固定 広告費が小さく、料率だと受けてもらえない規模のとき
成果報酬型 獲得1件あたり◯円 成果の定義が明確で、単価が安定している商材のとき

料率型では、広告費が少額だと手数料も少額になるため、最低手数料(月◯万円から)を設定している会社が一般的です。「広告費10万円で運用代行を頼みたい」という相談で断られやすいのは、この構造が理由です。

外注が向いている企業

広告費が月30万円以上ある/社内に運用経験者がいない/複数媒体を同時に動かしたい/短期間で立ち上げたい。運用の学習コストを買う形になり、初速が早くなります。

!外注する前の注意点

広告費が月10万円台だと手数料の最低ラインに届かず、選択肢が限られます。また丸投げにすると社内にノウハウが残らないため、レポートの読み方だけは自社で押さえておく必要があります。

PlanTiveでもWebマーケティング代行として、SEO・広告運用・LP制作・SNSを横断した支援を行っています。広告単体の運用よりも、遷移先のLPや検索流入まで含めて設計するほうが、同じ広告費でも成果が出やすくなるためです。進め方としては、まず競合10〜20社の広告と着地ページを1件ずつ精読し、比較マトリクスに整理して「自社が勝てる訴求はどこか」を言語化するところから始めます。初回のヒアリング・現状分析・ご提案まで無料で対応しています。

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見積もりを承認する前のチェックリスト

代理店から見積もりが出てきたとき、発注側が見るべきポイントは金額の大小ではありません。同じ条件で比べられる形になっているかです。以下を順に確認してください。

広告費と手数料が分かれているか:総額だけの提示だと、実際に配信に回る金額が分かりません

手数料の算定根拠が書かれているか:料率なのか固定なのか、最低手数料があるかを確認します

クリエイティブ制作費の本数が明記されているか:バナー何本・動画何本かで金額は変わります

LP制作・改修が含まれるか:別途になっている見積もりが多く、後から追加請求になりがちです

初期費用とアカウント開設費の有無:初月だけ発生する費用は分けて確認します

レポートの頻度と内容:月1回か週1回か、数値だけか改善提案まで含むかを確認します

広告アカウントの所有者は自社か:代理店名義だと、解約時に運用データを引き継げないことがあります

契約期間と解約条件:最低契約期間と解約予告の時期を確認します

このうち特に見落とされやすいのが「広告アカウントの所有者」です。代理店名義のアカウントで運用していると、契約終了時に過去の配信データやキーワードごとの成果が手元に残らず、次の会社へ移るときにゼロから積み直すことになります。契約前に自社名義で開設できるかを確認しておくと、後の選択肢が広がります。

複数社から見積もりを取る場合は、同じ月額総予算・同じ成果指標・同じ期間という条件を先に伝えてください。条件が揃っていないと、安く見える見積もりが単に配信範囲を絞っているだけ、ということが起こります。この考え方は他の外注領域でも共通で、BtoBコンテンツマーケティングとは?成功事例と7ステップの進め方でも同様の比較軸を紹介しています。

立ち上げ3か月の費用はこう動く

Web広告の費用は毎月同じではありません。初月は制作費が集中し、2か月目以降は広告費中心に移っていきます。月額30万円で始めた場合の典型的な動き方を示します。

時期 広告費 制作費 運用費 合計 この月にやること
1か月目 15万円 15万円 7万円 37万円 アカウント開設・バナー3〜5本制作・LP調整・配信開始
2か月目 22万円 3万円 7万円 32万円 反応の悪いバナーを停止・キーワードの絞り込み
3か月目 22万円 5万円 7万円 34万円 勝ちパターンの派生バナーを追加・配信先の拡張

稟議に出すなら「3層×3か月」の9マスで書く

社内で予算を通すとき、月額の1行だけを書いた資料は追加請求のたびに説明が必要になります。おすすめは、上の表と同じ形式で縦に3層(広告費・制作費・運用費)、横に3か月を並べた9マスの表を1枚つくることです。

この形にすると、承認する側の疑問がその場で解けます。「初月だけなぜ高いのか」は制作費の行を見れば分かり、「毎月固定でかかるのはどれか」は運用費の行を見れば分かります。逆に、総額の1行だけを提示すると、初月の超過が「見積もりが甘かった」という評価になりがちです。PlanTiveでご相談を受ける際も、まずこの9マスを一緒に埋めるところから始めます。金額の議論より先に、どの費目がいつ発生するかの合意を取るほうが、後の運用が圧倒的にやりやすくなるためです。

初月が最も高く、2か月目にいったん下がり、3か月目から改善のための制作費が戻ってくる、という形が一般的です。予算を「月30万円」と一律で組んでいると、初月は超過することになります。社内で承認を取るときは、初期費用を別枠にするか、3か月合計での予算枠として提示すると通しやすくなります。

また、3か月という期間には理由があります。運用型広告は配信初期に機械学習が働き、どの層に配信すべきかを媒体側が学習していきます。この期間に予算を絞りすぎたり、頻繁に設定を変えたりすると学習が安定せず、成果が出るまでの時間が延びます。始めると決めたら、最低3か月分の予算を確保してから着手する。これは費用計画の前提条件です。

費用対効果の測り方|CPA・ROAS・LTVの3点セット

支出が決まったら、次は「その支出が正しかったか」を測る指標です。関連キーワードでも「費用対効果」は上位に来ますが、指標を1つだけ見ると判断を誤ります。

指標 計算式 何が分かるか
CPA(顧客獲得単価) 広告費 ÷ 成果件数 1件あたりいくらかかったか
ROAS(広告費用対効果) 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100 広告費が何倍の売上を生んだか
LTV(顧客生涯価値) 平均単価 × 購入回数 × 継続期間 その顧客が最終的にいくら払うか

CPAだけを見ると、単価の安い商材ばかり売れている状態を見逃します。問い合わせが増えてCPAが下がっても、成約する案件の単価が半分になっていれば事業としてはマイナスです。ROASを併せて見ることで、金額ベースでの成果が分かります。

ROASだけを見ると、継続課金型の事業で判断を誤ります。初回購入だけでROAS 100%を切っていても、2回目以降の購入で回収できる商材であれば、その広告は成功しています。ここでLTVが必要になります。

実務では、CPAを日次〜週次で見て配信を調整し、ROASを月次で見て予算配分を決め、LTVを四半期で見て目標CPAそのものを見直す、という3層で運用すると判断がぶれません。指標を見る頻度を変えるのがポイントです。

なお、広告の成果を正しく測るには、遷移先のページで何が起きたかを追える状態にしておく必要があります。計測タグの設置とコンバージョン設定は、配信を始める前に済ませてください。ここが抜けたまま3か月配信すると、費用の話をする材料そのものが残りません。

予算をムダにする5つの失敗パターン

最後に、費用面で実際に起きやすい失敗を挙げます。金額を決める前に、自社が当てはまっていないかを確認してください。

01

成果の定義を決めないまま始める
「まず認知を広げたい」と言いながら問い合わせ数で評価する、といったねじれが起きます。何を増やすのかを1つに決めないと、金額の妥当性を判断できません。

02

広告費だけで予算を組む
制作費と運用費が抜けた予算表は、着手後に膨らみがちです。総額を3層で組んでおけば、この事故は防げます。費用面のインパクトが最も大きい失敗です。

03

予算を細かく分散させる
月20万円を4施策に5万円ずつ配分すると、どれもデータが溜まりません。少額のときほど1つに集中させるほうが結果を判断できます。

04

1か月で結果を判断する
運用型広告は学習期間を要します。1か月で止めた場合に残るのは判断材料ではなく支出だけです。最低3か月を前提に予算を確保してください。

05

LPを整えないまま配信する
広告の役割はページに人を連れてくるところまでです。着地したページで何をすればいいか分からなければ、クリック単価を下げても成果にはつながりません。配信前にLPの構成を確認してください。

この5つのうち、費用面のインパクトが大きいのは02と04です。02は総額の読み違い、04は投じた予算が判断材料に変わる前に打ち切られる問題で、どちらも「お金は使ったが何も残らない」状態を生みます。逆に言えば、この2つを避けるだけで予算のムダは大きく減らせます。

まとめ|相場を知る目的は「自社のゾーンを決めること」

Web広告の費用について、押さえるべき要点を整理します。

01

費用は「広告費・クリエイティブ制作費・運用代行費」の3層。総額で見ないと予算はズレます

02

運用型広告が媒体費の88.7%を占めるため、定価は存在しません。相場表は目安として読むものです

03

自社の金額は、目標CV数・LTV・売上比率・検証最低ラインの4パターンで逆算し、2つ以上で検算します

04

売上宣伝費比率が5%を超える企業は全体の1.3%です。逆算した金額はこの比率で外側から検算できます

05

見積もりは金額の大小ではなく、広告費と手数料の分離・制作本数・アカウント名義で比べます

06

立ち上げ期は初月に制作費が集中します。最低3か月分の予算を確保してから着手してください

相場を調べる目的は、いちばん安い選択肢を見つけることではありません。「うちは月30万円のゾーンで、検索広告を主軸に、3か月かけて勝ちパターンを探す会社だ」と決めることです。ゾーンさえ決まれば、媒体選定も外注判断も見積もりの評価も、そこから機械的に決まっていきます。

次にやることは3つです。まず粗利と成約率を出してパターンAで目標CPAを計算する。次にその金額を年間売上で割って、業種の水準から外れていないかを検算する。最後に3層×3か月の9マス表に落として、社内で承認を取る。ここまでできれば、代理店に相談する段階では条件を揃えて比較できる状態になっています。

広告以外の集客手段と組み合わせて考えたい場合は、検索流入の設計を扱ったBtoBコンテンツマーケティングとは?成功事例と7ステップの進め方や、AIを使った分析・改善の進め方をまとめたAIマーケティングとは?活用方法・事例・ツールを実務目線で解説も併せてご覧ください。

とはいえ、業種・商材・競合状況によって適正なゾーンは変わります。自社の数字を当てはめてみて判断に迷う場合は、実際の売上構造と競合の出稿状況を見たうえで検討したほうが確実です。

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よくある質問

Q. Web広告は最低いくらから始められますか?
媒体側の制約という意味では、Google広告に最低出稿金額の定めはなく、LINE広告も初期費用・最低出稿金額ともに不要です。技術的には1日数百円からでも配信できます。ただし成果を判断できるだけのデータを集めるには、目標CPAの10〜20倍程度の月額予算を3か月継続させるのが現実的な下限です。
Q. 広告費のほかに何がかかりますか?
バナー・動画・広告文などのクリエイティブ制作費と、配信設計や改善にかかる運用費(外注なら運用代行費、社内なら人件費)です。この2つが抜けた予算表は、着手後に3割から5割ほど膨らむことがあります。
Q. 代理店の手数料はどのくらいが一般的ですか?
広告費の20%前後を手数料とする料率型が多く見られます。ただし広告費が少額だと手数料も少額になるため、最低手数料を設定している会社が一般的です。固定報酬型・成果報酬型もあるため、自社の広告費規模に合う体系を選んでください。
Q. 自社運用と外注、どちらが安いですか?
支出の額だけを比べると自社運用のほうが小さくなりますが、担当者の時間は人件費として発生します。週3時間を運用に使うなら、その時間の人件費が実質的な運用コストです。金額だけでなく、その時間を他の業務に使った場合の価値と比べて判断してください。
Q. 売上のうち何%を広告費に使うのが妥当ですか?
業種によって差が大きく、東京商工リサーチの2023年度集計では職業紹介業18.8%、化粧品小売業18.4%が上位で、大分類では金融・保険業8.2%、情報通信業3.1%、小売業2.0%となっています。一方で売上宣伝費比率が5%以上の企業は全体の1.3%にとどまるため、多くの企業にとっては数%以内が現実的な水準です。
Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?
運用型広告は配信初期に媒体側の機械学習が働くため、設定を頻繁に変えると学習が安定しません。判断材料が揃うまでの目安は3か月です。予算を確保する段階から、3か月分をセットで考えてください。
Q. 1,000回表示あたりの費用はいくらですか?
インプレッション課金(CPM)の単価にあたります。LINE広告の公式ページでは手動入札で1,000回表示200円から設定できると案内されていますが、これは入札の下限値です。実際の単価は競合の入札状況やターゲティングの絞り込み具合で変わります。
Q. 予算が月10万円しかない場合、どうすればいいですか?
施策を1つに絞ってください。リターゲティングや地域を限定したリスティング広告など、狙いを狭くすることで少額でもデータが溜まります。複数施策に分散させると、どれも判断できないまま予算が終わります。

監修・執筆

加地 勇大|株式会社PlanTive 代表取締役

新卒で鹿島建設に入社し施工管理・営業を経験後、Webマーケティング業界へ転職。採用領域の知見を積んだのち株式会社PlanTiveを設立。「採用は事業戦略の中核」をモットーに、マーケティング手法を活用した構造的な採用支援を行う。建設業×Webマーケという希少な経歴で、中小企業の採用課題を上流から解決。AI活用支援(企業のAI実装と人材育成)にも取り組む。

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