採用動画制作の費用相場・種類・作り方|成果につなげる完全ガイド

「採用動画を作りたいが、いくらかかるのか」「作っても本当に応募が増えるのか」——採用担当者からよく聞く声です。求人媒体に出しても反応が薄い、文章や写真だけでは職場の雰囲気が伝わらない。そんな課題の打ち手として、採用動画の制作を検討する中小企業が増えています。
一方で、採用動画は「なんとなくかっこよく作る」だけでは成果につながりません。相場を知らずに見積もりを取ると数十万円単位で判断を誤りますし、伝える内容を設計しないまま作ると、求職者に響かない「会社説明のスライドショー」になってしまいます。
この記事では、採用支援を専門とする株式会社PlanTiveが、採用動画制作の費用相場を種類・依頼先別に整理したうえで、作り方の5ステップ、内製・外注・AI活用の選び方、そして「作って終わりにしない」配信・運用設計までを一気に解説します。読み終えたとき、自社が作るべき動画の種類と予算感、そして応募につなげるための設計図を持てる状態を目指します。
この記事の目次
採用動画とは?8割が視聴する時代に制作が欠かせない理由
採用動画とは、企業が一緒に働く仲間を集めるために制作する動画のことです。単なる会社紹介ではなく、仕事内容・職場の雰囲気・一緒に働く人の魅力・会社の価値観を、映像でリアルに伝えることを目的とします。求職者が「ここで働きたい」と感じられるかどうかが、採用動画の成否を分けます。
なぜ今、採用動画なのか。背景には採用のオンライン化と売り手市場化があります。厚生労働省によると2024年の有効求人倍率は1.27倍、帝国データバンクの調査では2024年7月時点で正社員の人手不足を実感する企業は62.7%にのぼります。応募者の獲得競争が激しくなるなか、文字や写真だけでは伝えきれない情報を届ける手段として、動画の存在感が増しています。
実際、求職者の視聴行動も変わっています。動画制作会社moovyの「採用動画トレンド調査2025」では、就職・転職活動者の約8割が採用動画を視聴していると報告されています。さらにLumiiが24卒の就活経験者に実施した調査では、採用動画の視聴後に約7割が「志望度が上がった」と回答したという結果もあります。つまり採用動画は、認知から応募・志望度形成まで幅広い段階で効果を持つ施策になっているのです。
採用動画に期待できる主な効果は次の3つに整理できます。第一に、映像は文字の数倍の情報量を短時間で伝えられ、記憶に残りやすいこと。第二に、社員の表情や現場の空気感が伝わることで、入社後のミスマッチ(早期離職)を減らせること。第三に、SNSや採用サイトで拡散・再利用でき、企業の認知向上につながることです。「応募数を増やしたい」だけでなく「辞めない人を採りたい」という課題にも効く点が、採用動画の強みといえます。
【種類別】採用動画の費用相場を一覧で解説
採用動画の費用は「どんな種類の動画を、どれくらい作り込むか」で大きく変わります。まずは代表的な4タイプの相場を押さえましょう。以下は上位の解説記事・制作会社で共通して示されている相場の目安です。
インタビュー動画(10〜30万円) は、社員1〜2名へのインタビューを中心にしたシンプルな構成です。撮影は半日程度、尺は120秒以内が目安で、最も手軽に始められます。「まず1本試したい」「特定職種の魅力を伝えたい」という企業に向いています。
インタビュー+職場・オフィス紹介(30〜80万円) は、社員の声に加えて業務風景やオフィスの様子を組み合わせたタイプです。撮影1〜2日、尺180秒以内が目安。求職者が最も知りたい「働く現場のリアル」を伝えられるため、費用対効果のバランスが良い王道の構成です。
社員密着型・ドキュメンタリー動画(80〜200万円) は、社員に数日間密着し、1日の流れやキャリアをストーリーで描きます。撮影3日前後、制作期間1.5〜2か月が目安。感情移入を促す力が強く、応募の質を高めたい企業に効果的です。
ブランディング動画(200〜500万円超) は、企業のビジョンや世界観を表現する大規模な作り込みで、複数拠点撮影やアニメーション・空撮を伴うこともあります。制作期間は2〜3か月以上。採用だけでなく企業全体のブランド発信を狙う場合に選択されます。
費用を左右する主な要因は、①撮影日数②出演者の人数③企画・演出の内容④ロケーション(拠点数)⑤動画の尺・修正回数の5つです。見積もりを比較する際は、この5要因のどこにコストがかかっているかを確認すると、金額の妥当性を判断しやすくなります。
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依頼先で変わる採用動画の制作費用|制作会社・フリーランス・AIを比較
同じ内容の動画でも、誰に依頼するかで費用と品質は変わります。主な依頼先は「制作会社」「フリーランス」、そして近年選択肢に加わった「AI活用(内製補助)」の3つです。
制作会社(30万円〜) は、企画・撮影・編集をチームで担い、品質と進行管理の安定性が強みです。修正対応や納品後の保証も比較的手厚い一方、フリーランスより費用は高くなります。採用という失敗できない領域では、実績のある制作会社を選ぶ安心感は大きいといえます。
フリーランス(10万円〜) は、費用を抑えやすくスピーディに進められるのが魅力です。ただし撮影・編集の品質は個人の力量に依存し、大規模撮影や複数拠点には対応しづらい面があります。予算が限られ、シンプルなインタビュー動画で十分な場合に向いています。
AI活用(数万円〜試作可能) は、生成AIでインタビュー動画の台本や仮映像を作る新しい選択肢です。たとえばChatGPTでインタビューの質問と回答例を設計し、AI動画ツールで仮のインタビュー映像を生成する、といった使い方が実際に行われています。リアルな人間による撮影ほどの訴求力は現時点で望めませんが、「どんな構成が刺さるか」を低予算で検証したり、社内で簡易な動画を量産したりする用途では有効です。PlanTiveでも建設業などの現場採用で、AIを活用した動画の試作から本格制作への橋渡しを支援しています。
依頼先を選ぶ際は「価格の安さ」だけで決めないことが重要です。次の見出しで、映像制作の現場で指摘される「安さの落とし穴」に触れます。
予算別にできること|30万・50万・100万円の目安
「結局、自社の予算で何ができるのか」を具体的にイメージするために、映像制作の現場感をもとに予算帯ごとの目安を整理します。金額はあくまで一例で、地域や撮影条件により変動します。
30万円前後 は、半日撮影・社員1〜2名・1〜2分のインタビュー中心の構成が現実的です。テロップやBGM、簡単な業務風景を加えられます。複数職種や3名以上のインタビュー、1日密着は難しいため、「今回は何を、誰に伝えるか」を1つに絞ることが成功の条件です。
50万円前後 になると、半日〜1日撮影・社員2〜3名・2〜3分の動画が可能になり、インタビューに職場・業務風景を組み合わせられます。採用サイト・説明会・SNSの一部活用まで見込め、「人・仕事・職場の雰囲気」を自然に伝える王道の1本を作りやすい価格帯です。
100万円前後 では、1日撮影で複数名が出演し、本編3〜5分に加えてSNS用の短尺への展開もできます。1日密着・インタビュー・職場紹介を統合し、採用サイト・説明会・面接前の案内・内定者フォローなど複数の場面で使い回せます。この価格帯になると「映像の豪華さ」より「採用導線のどこで使うか」の設計が費用対効果を左右します。
ここで注意したいのが、映像制作の現場で指摘される「中抜き構造」 です。営業会社から制作会社、さらに外部スタッフへと発注が多段階になると、中間マージンで費用が膨らむだけでなく、責任者が曖昧になり「誰も採用課題を理解していない動画」ができあがることがあります。見積もりを取る際は、実際に企画・撮影・編集を行う体制と、事前ヒアリングの手厚さを確認しましょう。
採用動画制作の流れ|企画から納品までの5ステップ
採用動画の制作期間は平均で約1.5か月が目安です(種類により2週間〜3か月以上)。基本的な流れは次の5ステップで進みます。
採用動画制作の5ステップ
企画・目的の決定
「誰に、何を伝え、どう行動してほしいか」を言語化する。ここで採用ペルソナと1人あたりの採用予算まで決めておくと後工程がぶれない。
構成・絵コンテの作成
動画の流れ・質問設計・カット割りを設計図に落とす。撮影後にやり直せない部分なので、最も時間をかけるべき工程。
出演者選定・スケジュール調整
誰に出てもらうかで説得力が変わる。求職者と近い経歴・年代の社員を選ぶと共感が生まれやすい。撮影日程と業務の調整を行う。
撮影
絵コンテに沿って撮影。現場の自然な表情や声を引き出すディレクションが仕上がりを左右する。撮り直しを見込んで余裕を持つ。
編集・納品
テロップ・BGM・カット編集で完成。採用サイト用・SNS用など配信先ごとに尺違いを納品してもらうと運用が楽になる。
この5ステップのうち、成果を最も左右するのは実はステップ1と2の「企画・構成」です。映像は撮影してから考えるものではなく、設計段階で「誰に何を伝えるか」が決まっていなければ、どれだけ編集技術が高くても応募にはつながりません。
応募が集まる採用動画の作り方|求職者ニーズとのズレを埋める
「プロっぽく編集したのに反応が薄い」「かっこよく仕上げたのに応募につながらない」——これは採用動画で最も多い失敗です。原因は編集技術ではなく、感情設計と共感要素の欠如にあります。採用動画の成果は、見栄えよりも「求職者がここで働く自分を想像できるか」で決まります。
ここで見逃せないのが、企業が伝えたいことと求職者が知りたいことの「ズレ」です。moovyの採用動画トレンド調査2025によると、求職者が動画でこそ見たい内容は「1日の仕事の流れ」「現場の雰囲気」「入社理由」が上位である一方、企業側は会社説明や事業紹介の動画コンテンツに偏りがちだと指摘されています。つまり、多くの採用動画は「企業が話したいこと」を詰め込み、「求職者が見たいこと」を映せていないのです。
このズレを埋めるための作り方のポイントは3つあります。
第一に、ターゲット(採用ペルソナ)を1つに絞る こと。「誰にでも刺さる動画」は誰にも刺さりません。年代・職種・価値観を具体的に定め、その人が抱える不安に答える内容にします。
第二に、理想と現実の両方を見せる こと。良いことばかりの動画は逆に信用されません。仕事の厳しさややりがいの source(原体験)を、社員の具体的なエピソードで語ってもらうと説得力が生まれます。求職者は「きれいな言葉」ではなく「リアルな一場面」に共感します。
第三に、動画の尺を目的に合わせる こと。求職者の視聴ニーズは30〜60秒の短尺が中心とされる一方、志望度が高い層は1分以上の詳しい情報を求める傾向があります。認知目的のSNS動画は短く、比較検討段階の採用サイト動画は長く、と使い分けるのが効果的です。
なお、伝えるべき内容は採用対象や業種によっても変わります。新卒採用では「入社後の成長イメージ」や「同世代の社員の姿」が響きやすく、中途採用では「任される裁量」「働き方・待遇のリアル」を具体的に見せることが効果的です。業種でも差があり、たとえば建設業や製造業の現場職では、職場の安全性・チームの雰囲気・キャリアパスといった「文章では伝わりにくい不安」を映像で解消することが応募の決め手になります。PlanTiveが支援した建設業の施工管理採用でも、給与や休日といった条件面だけでなく「一緒に働く人」を前面に出す訴求が奏功しました。動画の型を横並びで選ぶのではなく、「自社の採用対象が最も不安に感じている点」から逆算して構成を決めることが、成果を分けるポイントです。
内製と外注、AI活用はどう選ぶ?判断基準
採用動画は必ずしも制作会社に外注する必要はありません。内製・外注・AI活用のどれを選ぶかは、予算・社内リソース・求めるクオリティで決まります。
内製 VS 外注|自社に合うのはどちら?
判断の目安はシンプルです。「採用の主力として、応募や志望度に直結させたい1本」は外注、「SNSでの露出を増やす短尺や、まず構成を試したい段階」は内製・AI活用 と使い分けます。両者は二者択一ではなく、外注で作った主力動画を軸に、内製の短尺で日々発信する、という組み合わせが最もコスト効率が高くなります。
大切なのは、どの手段を選んでも「採用課題の起点」から設計することです。PlanTiveでは、採用ペルソナ・訴求軸・KPIといった上流の設計から動画の活用先までを一気通貫で支援しています。実際に建設業の施工管理職では、訴求軸を整理し媒体運用と組み合わせることで、長期間採用できなかった状態から4か月で2名(採用単価30万円)の採用を実現した事例もあります。動画単体ではなく「採用戦略の一部」として捉えることが成果への近道です。
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作って終わりにしない|採用動画を成果につなげる配信・運用設計
採用動画で最ももったいない失敗が「作ったけれど、置き場所がないまま眠っている」状態です。動画は制作費と同じくらい、配信・運用の設計が成果を左右します。ここが上位の解説記事でも手薄になりがちなポイントです。
まず、配信先を「求職者がどの段階で見るか」で設計します。認知段階ではYouTube・Instagram・TikTokなどのSNSで短尺を届け、興味を持った求職者は採用サイトや求人媒体(Indeed・Airワーク等)で長尺のインタビューを視聴し、選考段階では面接前の案内や内定者フォローで密着動画を届ける(各SNSの向き不向きは、詳しくは採用SNS比較・選び方ガイドで解説しています)——このように、1本を作って終わりにせず、尺違い・用途違いで展開すると投資対効果が大きく変わります。moovyの調査でも視聴チャネルの上位はYouTubeと採用サイト・企業HPで、世代によって流入経路が異なるとされており、複数チャネルでの露出が有効です。
次に、効果測定をセットで設計します。動画は「再生回数」だけで評価しがちですが、採用の成果指標は別にあります。エンゲージメント(視聴維持率・完全視聴率)、認知(インプレッション)、応募効果(動画経由の応募数・応募率)、マッチング効果(内定承諾率・早期離職率)の4つの視点で見ると、動画が採用フローのどこに効いているかが分かります。PlanTiveではGA4やLooker Studioを用いて、動画を含む採用施策の数値を可視化し、次の改善につなげる運用を得意としています。
「動画を作ること」がゴールではなく、「採用したい人が応募し、定着すること」がゴールです。制作前に配信・運用・測定の設計図を描いておくことで、同じ制作費でも得られる成果は何倍にもなります。
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採用動画制作でよくある失敗と制作前チェックリスト
最後に、採用動画でつまずきやすい失敗と、制作に入る前に確認しておきたいポイントを整理します。
よくある失敗は主に4つです。①ターゲットを絞らず「伝えたいこと」を詰め込みすぎて焦点がぼやける、②会社説明に偏り、求職者が見たい現場のリアルが映っていない、③安さだけで依頼先を選び、中抜き構造で企画が薄くなる、④作った後の配信・運用を決めておらず動画が活用されない——いずれも「設計不足」が共通の原因です。
これらを避けるために、制作会社への相談前に次の項目を確認しておきましょう。
どの職種の、どんな人を採りたいか(採用ペルソナ)を1つに絞れているか
その人が抱える不安・知りたいことを言語化できているか
1人あたりにかけられる採用予算と、動画の予算枠を決めているか
完成した動画をどのチャネルで、どの選考段階で使うか決めているか
成果を何で測るか(応募数・応募の質・内定承諾率など)を決めているか
このチェックリストが埋まっていれば、制作会社との打ち合わせもスムーズになり、見積もりの精度も上がります。逆に、ここが曖昧なまま制作に入ると、費用をかけても成果につながらない動画になりかねません。採用動画は「作る前の設計」で9割が決まると考えて、じっくり準備しましょう。
まとめ|採用動画は「採用戦略の一部」として設計する
採用動画制作の費用相場は、インタビュー動画の10〜30万円からブランディング動画の200〜500万円超まで、種類と作り込みで幅があります。依頼先は制作会社・フリーランス・AI活用から、求めるクオリティと予算で選びます。しかし、金額や種類選び以上に重要なのは、「誰に何を伝え、どこで使い、何で成果を測るか」という設計です。
求職者の8割が採用動画を見る時代に、動画は「あると良いもの」から「採用戦略に欠かせないもの」へと変わりました。だからこそ、動画を単体の制作物として捉えるのではなく、採用ペルソナ・訴求軸・配信チャネル・効果測定までを含めた採用導線の一部として設計することが、応募と定着につながる採用動画の条件です。この考え方の全体像は採用マーケティングとは?基礎から実践までの記事でも詳しく解説しています。
PlanTiveは、採用の上流設計から媒体運用、動画を含むコンテンツの活用・効果測定までを一気通貫で支援しています。「採用動画を作りたいが何から始めればいいか分からない」「作ったものの成果につながっていない」という段階から、初回のヒアリング・現状分析・提案まで無料でご相談いただけます。
よくある質問
▶ Q. 採用動画の制作費用はいくらから始められますか?
▶ Q. 採用動画の制作期間はどのくらいかかりますか?
▶ Q. 採用動画は本当に応募につながりますか?
▶ Q. 内製(自社制作)でも効果は出ますか?
▶ Q. 動画を作ったあと、どこで公開すればよいですか?
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監修・執筆
加地 勇大|株式会社PlanTive 代表取締役
新卒で鹿島建設に入社し施工管理・営業を経験後、Webマーケティング業界へ転職。採用領域の知見を積んだのち株式会社PlanTiveを設立。「採用は事業戦略の中核」をモットーに、マーケティング手法を活用した構造的な採用支援を行う。建設業×Webマーケという希少な経歴で、中小企業の採用課題を上流から解決。AI活用支援(企業のAI実装と人材育成)にも取り組む。
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